AIを使って業務効率化しようと思ったら.mdにつまづいた話

非エンジニアの私が、AIを使った業務効率化を本格的に始めたのはClaude Codeがきっかけでした。
「こんなもの作って」とざっくり伝えれば、あっという間にいろんなファイルを生成して、動くプロダクトを作り上げてしまう。それまでチャット欄でしかやりとりできなかったChatGPTとはまた違う、新しいAI体験にとても感動したのを覚えています。
今では毎日のように何かしらの作業をClaudeやCodex(ChatGPT)を使って自動化したり解析したりしているのですが、何かとつけてAIが出力してきて「ここに書いておいたよ〜」と言ってくるのが、末尾に.mdと書かれたファイル。これが非エンジニアの私にとってはまさに最初のつまづきポイントでした。
だって、読んでねって言われてるのに、普通に開いたら記号だらけで読みづらいし、印刷もできない(アナログ人間)。何か触っちゃいけないプログラムをひらいちゃったか?なんて不安になったりしたものです。
これからの時代、私のような非エンジニアの人たちが、AIを使ってバイブコーディングしていく機会がどんどん増えていくことと思います。唐突に投げつけられた.mdファイルに戸惑うことのないよう、私の経験をシェアしておこうと思います。
AIは.mdがお好き
Claude CodeやCodexを使って、例えば「簡単な進捗管理ツールを作って」とお願いすると、プロジェクトフォルダとして指定したフォルダ内には、こんな感じでいくつかのファイルが生成されます。

demo-task-manager/
├── index.html
├── style.css
├── script.js
├── README.md
└── PLAN.md
このうちhtml, css, jsはいわゆる「コードファイル」。非エンジニアとはいえWEBをいじっていた私としてはこのあたりは見慣れたファイルでした。
しかし、問題は末尾に.mdと書かれたふたつのファイル。どちらもわざわざ大文字で “読んでね” “計画だよ” と書いてある。何か編集や更新が行われるたびにAIも「◯◯.mdに書いておいたよ」と言ってくる。
その後もなにかとAIは.mdを使って私に文書を投げかけてきます。
- CLAUDE.md
- AGENTS.md
- SKILL.md
じゃあ読んでみるかと開いてみると、確かに文章なのだが、なにやら記号だらけで読みづらい。

「もう!普通のテキストファイルでくれればよくない!?」
と思ったことを今でも覚えています。
それでもAIは.mdが好きなんです。というよりも、本来この.md(マークダウン)ファイルは、人にも優しいファイル形式(記法)のはずなのですが、いろいろあって特に非エンジニアにとってストレスを与える存在になっています。
人にもAIにも優しい.md(マークダウン)。のはずなのに…
そもそも.md(マークダウン)とは、数あるマークアップ言語のうちのひとつです。マークアップ言語とは、その名の通り文章をマークアップ(印付け)して読みやすくする言語です(.mdとは何か?)。
みなさんも手書きでノートをとるとき、あるいは仕事でレポートを作成するときに、目立たせたい箇所にマーカーを引いたり、大文字にして見出しをつくることで、文書を読みやすくしますよね。抑揚がない文章というのは読みづらいものです。
マークアップ言語とは、これをデジタルで実現しようという試みです。例えば大見出しは # 、中見出しは ##、太字は ** で囲む、といった具合に、決まったルールで記述することで、文章のなかで「こういう順番で読んでね」「ここは重要だよ」という意味づけをすることができます。

.md(マークダウン)は、AIのために作られたファイル形式ではありません。もともとは人がコンピューター上でテキストを読みやすくするために発明された記法なんです。つまりAIは「良かれ」と思って、人が読みやすいように.md(マークダウン)でテキストを共有してくれているにすぎないんです。
またAIにとっても.md(マークダウン)は、htmlなど他のマークアップ言語と比べて軽量なため、生成/読み取りするうえでトークン消費も最小限で済みます。また人が書いた文章をAIが受け取る場面においても、人がどこを重視していて、自分はどんな優先順位で仕事をすべきか、といった意図をプロンプトから汲み取るためにも、印付きの文章は非常に役に立ちます。
まさに人にもAIにも優しいのが.md(マークダウン)なんです。
ではなぜ、私はこのファイルに初見でつまづいてしまったのか?
その原因は、ファイルを開く手段が一般化されていないからに付きます。
なぜ.md(マークダウン)は普通に開けないのか
.md(マークダウン)は前述の通り印をつけて読みやすくした文章です。でも、普通にテキストエディットやメモ帳で開くと、記号だらけでかえって読みづらいんですよね。
実はちゃんとした装飾表示対応のビュアーで開けば、.md(マークダウン)はこんなに読みやすく開けるんです。

だったら最初からOS標準アプリでも読みやすい表示にしてくれればいいのに・・ と思いますよね。
分かります。
これらの標準アプリがマークダウン表示に対応していない理由はいろいろ考えられますが、ともあれ標準で開けないのであれば探すしかない。(ちなみにWindowsのメモ帳はマークダウン表示に対応したようですが・・使ってみれば分かりますがなんというかやっつけ仕事感がすごい。。)
ということでネットで検索してみると、一番にオススメされるのがVSCode(Visual Studio Code) です。
しかし、ここで私が声を大にして言いたいのが、非エンジニアが.md(マークダウン)ファイルを開くためにVSCodeを使うことはオススメしません!
過去記事にも書きましたが、VSCodeはただ文書を読む/編集するために使用するには機能が過大で複雑なんです。それもそのはず、VSCodeはその名のとおり、プログラムコードを書くエンジニアのために開発されたソフトだからです。(詳しくは マークダウンファイル(.md)を開くのにVSCodeをオススメしない3つの理由 をご覧ください)
そう、もともと.md(マークダウン)ファイルは、AIの普及以前から、主にエンジニア同士がやりとりする文書として、コンピュータープログラムと並列して管理しやすいように使われてきた記法でした。先ほど登場したREADME.mdなんかも、その種の定型ファイルです。
つまりエンジニアによって長く使われてきたファイル形式ゆえに、一般ユーザーが手軽に読み書きする環境が整っていないんです。
これが、われわれ非エンジニアが.mdでつまづく原因です。
.mdはもっと気軽に読み書きしよう
エンジニアが使うファイルと聞くと、かえって気後れしてしまうかもしれません。でもそんな必要はないんです。
.md(マークダウン)ファイルはただのテキストファイルに過ぎません。それも、見出しや強調表示など、私たちが普段から慣れ親しんでいるWordのレポートや手書きのノートに一番近い表現ができる書き方なんです。問題は、一般に馴染みのないファイル形式ゆえに、それを開く手頃なアプリ/ソフトがなかなか無いということです。
特に日本語圏ではその状況は顕著で、検索してみてもVSCodeしか事実上の選択肢がないんですね。英語系や中華系のアプリを使うのも手ですが、日本語表示がうまくいかなかったり、文書が現地サーバーに送られる可能性もあるので注意が必要です。
それでも今後、非エンジニアがAIと一緒に仕事をしていくうえで、.md(マークダウン)ファイルはより広く使われるファイル形式になっていくことでしょう。
記号のルールを覚えるのにちょっと苦労はありますが、チートシートを見ながらぜひご自分でも書いてみてください。構造的に文章を書くことは、自分自身の思考の整理にも役立ちますよ。私はこの記法にハマって文章を書くのが好きになり、HHKBのキーボードを買ったくらいです。
.md(マークダウン)を使いこなせば、AIの意図を正確に読み取り、私たちの意図を正確に伝えることができるようになるはずです。足りなかったのは、私たち側がそれを受け取る手段だけ。
エンジニアリングに少しでも馴染みのある方はVSCodeでもいいですし、記号のままでも苦でない方はメモ帳で読み書きしたっていいと思います。
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